奥歯がなくなると動脈硬化のリスクが増えるって本当?
奥歯がなくなるとしっかりと咬むことができなくなります。
そうするとお口だけなく、身体にも影響が出てくることがあります。
そこで今回は歯を失った時のリスクについてご紹介します。
【動脈硬化とは?】
動脈硬化とは血管の老化で動脈が硬くなり、しなやかさを失った状態です。
そうなると、血液をうまく送り出すことができず心臓に負担をかけてしまいます。
血管の状態は見た目では分かりにくいため、徐々に血管に汚れがついて詰まり、血液の通り道が狭くなることで心臓の病気に繋がることがあります。
【動脈硬化のリスクが増える場合とは?】
奥歯がすべてなくなると、奥歯がすべてある人に比べて2倍程度動脈硬化のリスクが増えるという研究結果が出ています。
また、奥歯のかみ合わせが悪い場合でも動脈硬化のリスクが増えることがわかっており、奥歯でしっかり咬むことができないと食生活に変化があるからと考えられています。
動脈硬化のリスクを下げるには、緑黄色野菜の中でもごぼうやニンジン、ブロッコリーな
ど歯ごたえがあるものを食べることが良いのですが、しっかり咬むことができないと食べにくいものが多いです。
そのほかの食材で魚介類や果物などもバランス良く摂取した方が良いですが、奥歯がないと咬みにくく、食べない傾向になります。
その結果動脈硬化になりやすい環境になるのです。
【お口の環境が全身に影響を与える】
歯を失うと、咬みにくくなりあごの骨に刺激が伝わりにくくなります。
そうすると、あごの骨がやせるだけでなく咬まないことで脳に刺激が伝わりにくくなります。
そうすると、認知症のリスクが高まるということが分かっています。
また、歯を失うと食べやすい炭水化物の摂取量が増える傾向になり、生活習慣病のリスクが高くなります。
生活習慣病になると糖尿病になりやすくなり、糖尿病になってしまうと細胞にうまく糖を送ることができず、免疫機能などが低下して他の病気につながることもあります。
また、歯を失った原因が歯周病の場合には、歯周病菌が侵入することで心臓疾患や肺炎を引き起こすこともあります。
お口の中だけと思いがちですが、歯を失うことで咬めないだけなく身体の様々な部分の不具合に繋がっていくこともあります。
そして、歯を失ったままにして放置すると、かみ合わせの歯がのびたり、隣の歯が倒れてきたりすることもあり、早めに治療しましょう。
しっかりと咬むことは身体の調子を整える上でとても重要です。
現在は様々な治療の選択肢が増えているので、ご自身の希望に合った治療も見つけやすくなっているので、しっかり治療しましょう。